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【スギノマシン】セルロースナノファイバー活用に関する技術資料を公開

会員である株式会社スギノマシンは、自然由来のバイオマスを原料としたナノファイバー(商品名:BiNFi-s)の用途開発に関する技術資料(テクニカルレポート)を公開しました。技術資料では、セルロースナノファイバー(CNF)と生分解性樹脂であるポリ乳酸の複合化とその効果についてまとめています。


■生分解性樹脂へのCNF活用

 近年、資源循環型社会への転換に向けて、生分解性樹脂の市場拡大への期待が高まっています。生分解性樹脂とは、環境中に放出されても微生物により水と二酸化炭素に分解される樹脂を指します。 
 なかでも、でんぷんを多く含む植物(トウモロコシやサトウキビなど)から作られるポリ乳酸(以下、PLA)は代表的なバイオマス由来の生分解性樹脂であり、広く利用されています。このPLAには他の汎用樹脂に比べ耐衝撃性が低い(硬くてもろい)という短所があり、多くはゴム等の可塑剤を加えることで汎用樹脂の物性に近づけています。
 しかし、加えられている可塑剤は石油由来であり、生分解性がないため、PLAの特徴を活かしきれていません。このため、自然由来のバイオマス原料としたセルロースナノファイバーで生分解性樹脂の物性を改善できれば、オールバイオマスでの材料設計が可能となります。

■技術資料(テクニカルレポート)の内容

①ポリ乳酸樹脂へのCNF複合化
PLAとBiNFi-sセルロースのドライパウダー(以下、BFDP)をドライブレンドし、溶融混練するだけで、1㎜以上の凝集物なく良好にCNFを分散できます。

②BFDPによる耐衝撃性の向上
一般グレードPLAに、BFDPを0.5wt%添加することで、耐衝撃グレードPLAと同程度の衝撃強度を示し、また3wt%添加することで一般グレードPLAの約1.5倍、耐衝撃グレードPLAの約1.3倍まで衝撃強度を向上できます。

③BFDP/ポリ乳酸樹脂複合体の引張強度特性
耐衝撃グレードPLAは可塑剤を添加して耐衝撃性を改善しているため、引張強さや弾性率は一般グレードPLAよりも2割程度低下してしまいます。一方、BFDPは添加量0.5wt%~3wt%までは一般グレードPLAの引張強さを低下させることなく、同程度に維持できます。

■詳細・掲載元

テクニカルレポートはスギノマシンのウェブサイトからダウンロードいただけます。
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